
介護・福祉の現場は、日々のケアが優先されるため、新人教育が「先輩1人の負担」になりがちです。
しかし、指導担当者に責任が集中すると、新人育成が上手くいかないだけでなく、現場の雰囲気が悪くなることも。
円滑な新人育成には「チームで育てる」仕組みが不可欠です。
この記事では、OJT(On the Job Training)成功のためのポイントをまとめます。
OJTをチームで行うメリット
新人が安心して成長できる
聞きたいことを言える相手が複数いれば、不安が軽減されます。
教育の質が均一化する
指導者により内容が変わるリスクを防ぎ、現場全体のケア品質向上につながります。
指導担当者の負担が減る
「全部自分で教えなければ」というプレッシャーが軽くなり、離職防止にもつながります。
OJT成功のための5つのポイント
1. 育成目標を共有する
新人の習得段階を、チーム全員が把握できるようにすることが基本です。
例:
・1か月後:基本的な見守り介助ができる
・3か月後:入浴・排泄介助が自立できる など
2. 指導ルールを統一する
教える人によって言うことが違うと、新人は混乱します。
「手順の根拠」を共有することがポイント。
3. ローテーションで役割分担
得意分野に応じて指導することで、教育の幅が広がります。
例:Aさん=移乗 Bさん=記録 Cさん=コミュニケーション
4. 振り返りとフィードバックを習慣化
褒めるポイントと改善点をセットで伝えると、前向きな成長が続きます。
短くても頻度を高くする方が効果的。
5. 新人の声を拾う仕組みをつくる
「質問しづらさ」をなくすことが定着と成長のカギです。
・ミーティングに相談枠
・先輩以外の相談窓口の設定 など
チームで育てるための実践方法
OJT計画表の作成
到達度がひと目で分かるツールを使用。
誰が何を教えるかも明確にします。
情報共有ミーティング
短時間でも、日々の成長や課題を共有する場を持つとズレがなくなります。
メンターペア制度
OJT担当者とは別に、気軽に相談できる存在を設定。
心理的安全性が高まり、離職防止に効果的。
新人が育つ職場が、強い職場へ変わる
新人教育を「チームの仕事」にすると、
・先輩の成長
・職場全体の連携強化
・ケアの質向上
すべてが好循環で回り始めます。
人が育つ現場は、利用者にとっても安心できる場所です。
チームで支え合いながら、新人の成長をみんなで喜べる環境づくりが、未来の職場力を高めます。




