
福祉事業を運営する上で重要な指標のひとつが「利用者単価」です。
この記事では、就労継続支援B型・就労移行支援・生活介護の3サービスについて、最新(令和6年度報酬改定後)の利用者単価をわかりやすくまとめます。
利用者単価とは?
利用者単価とは、1人の利用者あたり1日で得られる平均的な報酬額のことです。
計算式は以下の通りです。
利用者単価 = 総報酬 ÷ 延べ利用者数
事業の収益性や経営状況を把握するうえで、とても重要な指標です。
就労継続支援B型の利用者単価
就労継続支援B型は、障害のある方が生産活動などを通して働く力を育む福祉サービスです。
基本的な単価の目安
| 区分 | 1日あたり単価(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 基本報酬 | 約3,900〜6,800円 | 利用時間や活動内容で変動 |
| 各種加算 | +500〜3,000円程度 | 福祉専門職配置加算、送迎加算など |
| 合計(目安) | 約5,000〜8,000円/日 | 平均的な事業所でこの範囲が多い |
生産活動による売上を含めると、1人あたり月7〜10万円程度の総収入となることが多いです。
就労移行支援の利用者単価
就労移行支援は、一般就労を目指す障害者に対して職業訓練や就職支援を行うサービスです。
基本的な単価の目安
| 区分 | 1日あたり単価(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 基本報酬 | 約6,500〜8,000円 | 支援時間や職員体制で変化 |
| 各種加算 | +500〜2,000円程度 | 職場実習支援加算、専門職配置加算など |
| 合計(目安) | 約7,000〜9,000円/日 | 加算を多く取得する事業所では高めに |
平均的な利用者で月10〜13万円程度の報酬が見込まれます。
生活介護の利用者単価
生活介護は、常時介護を必要とする障害者に対して日中活動や機能訓練を提供するサービスです。
基本的な単価の目安
| 区分 | 1日あたり単価(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 基本報酬 | 約8,000〜11,000円 | 利用者の区分や医療的ケアの有無で変化 |
| 各種加算 | +1,000〜3,000円程度 | 看護職員加算、機能訓練加算、送迎加算など |
| 合計(目安) | 約9,000〜13,000円/日 | 重度者や医療的支援がある場合は高めに |
月20日利用の場合、1人あたり月18〜26万円程度の報酬となります。
利用者単価の比較まとめ
| サービス種別 | 1日あたり利用者単価(概算) | 月額換算(20日利用) |
|---|---|---|
| 就労継続支援B型 | 約5,000〜8,000円 | 約10〜16万円 |
| 就労移行支援 | 約7,000〜9,000円 | 約14〜18万円 |
| 生活介護 | 約9,000〜13,000円 | 約18〜26万円 |
まとめ
- 就労B型は約5,000〜8,000円/日
- 就労移行は約7,000〜9,000円/日
- 生活介護は約9,000〜13,000円/日
利用者単価は、基本報酬に加算をどれだけ取得できるかで大きく変動します。
また、職員配置や支援の質を高めることで、報酬アップにもつながります。


