
ユニットリーダーや施設長、指導係といった立場になると、部下の「できていないこと」ばかりが目に付いてしまうことはありませんか?「仕事なんだからできて当たり前」という視点だけでは、部下のモチベーションは下がり、離職リスクも高まってしまいます。
この記事では、部下の“当たり前”を価値に変える視点の持ち方や、心理学に基づいた「3:1の法則」、そして面談ですぐに使える具体的な質問例を解説します。部下との関係性を劇的に改善し、活気ある現場を作るヒントを見つけましょう。
1. 「褒めるところがない」と感じるリーダーが陥る「当たり前の罠」
「うちの部下はミスも多いし、特に秀でたところがない」
そんな風に感じてしまう背景には、リーダー自身の**「高い基準」**があります。
優秀なリーダーほど、無意識のうちに「これくらいはやって当然」というボーダーラインを高く設定してしまいがちです。しかし、欠点(マイナス)を探す減点方式のマネジメントは、部下を萎縮させ、結果として成長を阻害してしまいます。
2. 視点を変える:維持できていることの「凄さ」に光を当てる
「褒める」とは、必ずしも新しい成果を称えることだけではありません。「現状を維持している努力」に気づくことが、実は最も重要です。
- 「いつもの時間に出勤する」→ 自己管理ができている証拠。チームの安定稼働に貢献している。
- 「ルーチンワークを淡々とこなす」→ 飽きずに精度を保てるのは、プロとしての基礎力がある証拠。
- 「トラブルを起こさない」→ リスク予測ができている、あるいは周囲と調整ができている証拠。
このように、「当たり前=価値があること」と捉え直すことで、褒めるポイントは無限に見つかります。
3. 心理学が証明する「3:1の法則(ロサダの法則)」とは?
ポジティブ心理学の提唱者マルシャル・ロサダ博士によると、チームのパフォーマンスを高く保つためには、「ポジティブな関わり」と「ネガティブな関わり」の比率を「3:1」以上にする必要があるとされています。これを「ロサダの法則」と呼びます。
- なぜ3倍必要なのか?人は1つのネガティブな指摘を受けると、心が深く傷つきます。そのダメージを中和し、前向きな意欲を取り戻すには、3つ以上の承認や感謝が必要なのです。
- 指導が届く土壌を作る日頃から「ありがとう」「助かっているよ」というポジティブな言葉(3)を貯金しておくことで、いざという時の厳しい指導(1)が相手の心に届くようになります。
4. 【実践】部下の強みを引き出す「魔法の質問リスト」
面談や1on1の際、一方的に評価を伝えるのではなく、質問を通じて部下自身に「自分の価値」を気づかせましょう。
| 質問カテゴリー | 具体的なフレーズ |
| プロセスの承認 | 「今回の業務で、自分なりに工夫したポイントはどこ?」 |
| 貢献の自覚 | 「〇〇さんがいてくれて、他のスタッフが助かっていると感じる場面は?」 |
| 隠れた強み | 「苦労せずに自然とできてしまう仕事って、何かある?」 |
| 未来への展望 | 「今の仕事の中で、もっと伸ばしていきたいと感じる部分は?」 |
こうした質問は、部下の自己肯定感を高めるだけでなく、リーダーが気づかなかった部下の「隠れた努力」を可視化してくれます。
5. まとめ:リーダーの「着眼点」がチームの質を決める
部下を褒めることは、お世辞を言うことではありません。部下が当たり前に提供している価値を、正当に「発見」することです。
- 「維持できている凄さ」に注目する
- 「3:1の法則」で心の貯金を増やす
- 「魔法の質問」で本人の気づきを促す
この3ステップを意識するだけで、現場の空気は驚くほど変わります。まずは今日、部下の「当たり前の行動」を一つだけ見つけて、言葉にしてみませんか?




