施設から企業へ。就職を「ゴール」にしない支援の形

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就労支援の現場において、一般就労が決まることは大きな喜びです。しかし、真の成功は「就職すること」ではなく、その職場で「自分らしく働き続けること」にあります。

「送り出して終わり」の支援では、環境の変化に対応できず離職してしまうケースも少なくありません。今、求められているのは、企業と施設がタッグを組んで取り組む「攻めの定着支援」です。


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就労継続支援だからこそできる「じっくり育てる」強み

就労移行支援(原則2年)と比較し、期限のない就労継続支援(A型・B型)には、独自の強みがあります。それは、長期的な観察に基づいた「精度の高いマッチング」です。

訓練期間の長さが「働く土台」を作る

日々の作業を通じて、以下のような「履歴書には書けない特性」を施設側が把握しています。

  • 体調のバイオリズム: 季節や天候による変化への対応力。
  • ストレスサイン: 疲れが溜まった時に出る言動の癖。
  • 集中力の持続: どの程度の作業量で休憩が必要か。

これらのデータがあるからこそ、企業に対して「この方は、この環境なら100%の力を発揮できる」という根拠のある提案が可能になります。


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企業が「ぜひ採用したい」と感じる利用者ポートフォリオの作成

企業担当者が最も不安に思うのは「何ができるか」よりも「何ができないか、どう対応すればいいか」が見えないことです。その不安を解消するのが「ポートフォリオ」です。

採用率を高めるポートフォリオの3要素

  1. 業務スキル図解: 「PC作業が可能」ではなく、「ExcelのVLOOKUP関数を用いた集計作業が、1時間あたり〇件可能」と具体化します。
  2. 合理的配慮のリクエスト(具体的提案): 「配慮してください」ではなく、「指示はメモやチャットで頂ければ、聞き漏らしなく遂行できます」と、企業側のメリット(ミス防止)に変換して伝えます。
  3. セルフケアのチェックリスト: 本人が自分の特性をどう理解し、どう対処しているか(例:疲れたら静かな場所で5分休憩する等)を記載し、自律性をアピールします。

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ジョブコーチ視点で行う「職場環境の調整」

施設職員がジョブコーチ的な視点を持つことで、企業側の負担を減らしながら定着率を高めることができます。

「合理的配慮」を「業務改善」に繋げる

合理的配慮は、単なる「優遇」ではありません。

  • 視覚情報の整理: 散らかったデスク周辺を整理し、集中できる環境を作る(5Sの徹底)。
  • マニュアルの整備: 誰が見てもわかる図解マニュアルの作成。
  • コミュニケーションの定型化: 報連相のタイミングをルール化する。

これらの工夫は、障害の有無に関わらず、職場の全従業員にとっての生産性向上に繋がります。この視点を共有することで、企業側は「支援」を「経営改善」として捉え直すことができます。


まとめ:企業と施設が作る「キャリアの道筋」

一般就労への移行は、施設との繋がりを断つことではありません。むしろ、施設が「外部パートナー」として企業を支えることで、より強固な雇用継続が可能になります。

企業は「戦力」を得て、利用者は「居場所」を得る。その架け橋となるのが、私たち就労支援員の役割です。

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