
はじめてサービス提供記録や連絡帳を書くとき、
「これで失礼じゃないかな」「変に受け取られないかな」
と手が止まる新人職員は少なくありません。
記録や連絡帳は、支援の報告書であると同時に、保護者とのコミュニケーションツールです。ちょっとした言葉の違いが、安心にも不安にもなります。
ここでは新人職員の方向けに、まず押さえておきたい基本的な考え方と、すぐ使える表現のコツを噛み砕いて解説します。
大前提|連絡帳は「評価」ではなく「共有」
新人のうちは、つい
「うまくできた/できなかった」
「良い/悪い」
と評価する目線で書いてしまいがちです。
ですが連絡帳は、子どもや利用者を評価する場ではありません。保護者と一緒に状況を共有し、支援を考えるためのものです。
迷ったら、
「これは“感想”か“事実”か?」
と自分に問いかけてみてください。
新人がまず気を付けたい5つのポイント
① 決めつけた言い方をしない
×「わがままが多かったです」
○「ご希望が通らない場面で、強く気持ちを伝える様子がありました」
言葉一つで、保護者は「否定された」と感じてしまうことがあります。見たまま・聞いたままを書く意識が大切です。
② 困った気持ちはそのまま書かない
×「対応に困りました」
○「より良い関わり方について、職員間で話し合っています」
困っている事実が悪いわけではありません。前向きに考えている姿勢として伝えましょう。
③ マイナスだけで終わらせない
×「落ち着きがありませんでした」
○「落ち着きにくい場面はありましたが、○○では最後まで参加できました」
小さな「できたこと」を一つ添えるだけで、連絡帳の印象は大きく変わります。
④ ふんわりした言葉を減らす
×「なんとなく不安定でした」
○「午前中は表情が硬く、午後は笑顔が多く見られました」
具体的に書くほど、保護者は安心できます。時間・場面・様子を意識しましょう。
⑤ 命令口調・指導口調にならない
×「家でも練習してください」
○「ご家庭での様子も教えていただけると助かります」
連絡帳は「お願い」や「共有」の場です。上下関係を感じさせない表現を心がけましょう。
特に注意したい言葉
新人のうちは、次の言葉が入っていないか要チェックです。
- 「普通は」「当然」「〜すべき」
- 他の利用者と比べる表現
- 原因を決めつける書き方
少しでも迷ったら、先輩に確認することは立派な仕事です。
最後に一言添えると安心感が増す
文の最後に、
「本日もありがとうございました」
「何かありましたらお知らせください」
この一文があるだけで、文章はぐっと柔らかくなります。
まとめ|連絡帳は新人を育てるツールでもある
サービス提供記録や連絡帳は、保護者のためだけでなく、新人職員自身が支援を振り返り、言語化する練習の場でもあります。
完璧を目指す必要はありません。
事実を丁寧に、相手の立場を想像しながら書く。
その積み重ねが、信頼される支援者への一歩になります。
やりがちNG表現ランキング|連絡帳・サービス提供記録
新人職員が連絡帳やサービス提供記録を書くとき、悪気はないのにトラブルの火種になりやすい表現があります。
それらは多くの場合、
「正直に書いたつもり」
「先輩の言葉をそのまま使った」
という善意から生まれます。
本記事では、新人研修やOJTで特に指摘されやすい「やりがちNG表現」をランキング形式で紹介し、なぜNGなのか、どう直せばいいのかを解説します。
第1位|「わがまま」「勝手に」「問題行動」
なぜNG?
これらは評価やレッテル貼りに直結する言葉です。保護者から見ると、「人格を否定された」「決めつけられた」と感じやすく、クレームにつながりやすい表現です。
言い換え例
- わがまま → ご希望が通らない場面で強く気持ちを伝える様子
- 勝手に動いた → 声かけ前に席を立つ様子
- 問題行動 → 支援上配慮が必要な行動
ポイント:評価語を消して、行動だけを書く。
第2位|「対応に困りました」「大変でした」
なぜNG?
支援者の感情が前面に出ると、
「受け入れ体制は大丈夫?」
と保護者の不安をあおってしまいます。
言い換え例
- 対応に困りました → 関わり方について職員間で共有しています
- 大変でした → 見通しが持ちにくい様子があり、個別対応を行いました
ポイント:感情ではなく、対応と工夫を書く。
第3位|「普通は」「当然」「〜すべき」
なぜNG?
価値観の押し付けに見えやすく、家庭環境や本人特性を否定しているように受け取られることがあります。
言い換え例
- 普通はできています → 現在は○○の場面で支援を行っています
- 〜すべき → 今後の支援方法として検討しています
ポイント:「正しさ」ではなく「現状」を書く。
第4位|「いつも通り」「特に変わりありません」
なぜNG?
保護者にとっては情報が少なく、
「本当に見てくれている?」
という不信感につながることがあります。
言い換え例
- いつも通り → 朝の会から給食まで、落ち着いて参加されていました
- 変わりありません → 昨日と同じ流れで活動に参加できていました
ポイント:短くても具体性を。
第5位|「家でも練習してください」「注意してください」
なぜNG?
指導・命令口調は、保護者との上下関係を感じさせやすく、反発や距離感を生みます。
言い換え例
- 練習してください → ご家庭での様子を共有いただけると助かります
- 注意してください → 気になる点があれば教えてください
ポイント:協力依頼の形に変える。
番外編|無意識にやりがちな表現
- 他者との比較を連想させる書き方
- 医学的・心理的な原因の断定
- 保護者の関わりを責めているように読める表現
迷ったら「これを第三者が読んだらどう感じるか」を想像することが有効です。
まとめ|NG表現は「失敗例集」として活かせる
新人がNG表現を使ってしまうのは、経験不足が原因であり、能力の問題ではありません。
大切なのは、
- なぜNGなのかを知る
- 代わりの言い方をストックする
- 先輩に相談できる環境がある
ことです。
このランキングを、新人研修やOJTでの共通言語として活用することで、記録の質と保護者との信頼関係は確実に安定していきます。




