
「早くやって!」「そこ座って!」
ついつい口に出てしまう命令形。悪気はなくても、言われた側は「指示された」「支配された」と感じてしまい、モチベーションが下がってしまうものです。
現場の空気を円滑にし、相手が気持ちよく動いてくれる秘訣は、命令を「提案」に変えること。
今回は、現場で頻出する指示語を、相手が思わず「Yes」と言いたくなる提案形に変換する具体的なリストをご紹介します。
なぜ「提案形(疑問形)」は人を動かすのか?
命令形を提案形(「〜しませんか?」「〜できそうですか?」)に変える最大のメリットは、相手に「選択権」を譲渡することにあります。
- 心理的リアクタンスを防ぐ: 人は強制されると反発したくなる性質(心理的リアクタンス)がありますが、提案されると自分で決めた感覚が残ります。
- 尊重が伝わる: 「こちらの状況を考えてくれている」という安心感が信頼関係を築きます。
- 具体的なイメージが湧く: 疑問形で投げかけることで、相手が「どう動くか」を一度頭の中でシミュレーションするため、行動に移りやすくなります。
現場で使える!言い換えリスト10選
日常のシーンでよくある「命令」を「提案」にブラッシュアップしてみましょう。
| シーン | 命令形(NG) | 提案形(OK!) |
| 休憩を促す | 座って! | こちらで座って休みませんか? |
| 整理整頓 | 片付けて! | あと5分で片付けを始められそうですか? |
| 作業の依頼 | これやっておいて。 | 手が空いた時に、これをお願いしてもいいですか? |
| 急ぎの案件 | すぐ出して! | 〇〇時までに確認したいのですが、間に合いそうでしょうか? |
| 意見を求める | 意見を言って! | 〇〇さんの視点から見ると、どう感じますか? |
| ミスへの注意 | 直して! | ここを〇〇のように修正すると、より良くなると思いませんか? |
| 会議の進行 | 静かにして! | 一度、内容を整理するために耳を傾けていただけますか? |
| 報告の催促 | 報告して! | 今の進捗状況を、短く教えてもらえますか? |
| 相談への対応 | 後にして! | 30分後ならゆっくり伺えるのですが、お時間大丈夫ですか? |
| マニュアル遵守 | 決まりを守って! | 手順通りに進めた方が安全だと思うのですが、いかがでしょうか? |
ポイント:成功率を上げる「クッション言葉」
提案形に変える際、さらに効果を高めるのが「クッション言葉」の活用です。
- 「お忙しいところ恐縮ですが…」
- 「もしよろしければ…」
- 「助かるのですが…」
これらを冒頭に添えるだけで、提案の角が取れ、より丁寧で協力的な印象を相手に与えることができます。
まとめ:言葉選び一つでチームは変わる
「命令」は一時的に人を動かすかもしれませんが、「提案」は人の心を動かします。
相手をコントロールしようとするのではなく、「同じゴールを目指すパートナー」として接する姿勢が、言葉選びに現れます。まずは今日、リストの中から一つだけ試してみてください。相手の反応が驚くほど変わるはずです。

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