
就労継続支援B型でよくある困り事と技術的な解決法
就労継続支援B型事業所では、利用者の特性に応じた困りごとが日常的に発生します。支援員が適切な技術を使って解決することで、安心して作業に取り組める環境を作ることができます。ここでは、よくある困り事と解決のための支援技術を紹介します。
作業面での困り事と解決法
作業手順を覚えられない
- 困り事:手順を忘れて混乱する、途中で作業が止まる
- 解決法:
・写真付きの手順書やピクトグラムを用意
・一つの作業ごとにチェックリストで確認できる仕組みを導入
作業ペースが極端に遅い・早い
- 困り事:他の利用者とのペースが合わない
- 解決法:
・タイマーや音楽でリズムを整える
・個別の目標数を設定し、達成感を感じられるようにする
行動面での困り事と解決法
感情のコントロールが難しい
- 困り事:イライラして作業ができない、周囲に影響を与える
- 解決法:
・落ち着けるスペースを確保
・声掛けで安心感を与え、気持ちを切り替える支援
他者とのトラブルが起きやすい
- 困り事:利用者同士の言い合いや衝突
- 解決法:
・あらかじめ座席配置を工夫する
・ルールを視覚的に掲示し、繰り返し確認する
健康面での困り事と解決法
体調の変化に気づきにくい
- 困り事:疲れても休憩をとらずに無理をしてしまう
- 解決法:
・定期的に声をかけて体調を確認
・水分補給や休憩をルーティン化
通所の継続が難しい
- 困り事:体調不良や生活リズムの乱れで欠席が増える
- 解決法:
・短時間から通所を始めて徐々に増やす
・家庭や関係機関と連携して支援する
モチベーションに関する困り事と解決法
作業意欲が続かない
- 困り事:途中で集中力が切れ、作業に取り組めない
- 解決法:
・「できた!」を実感できる小さな目標を設定
・完成品がどのように使われるかを伝えて意義を感じてもらう
報酬への不満
- 困り事:工賃が少ないため意欲が下がる
- 解決法:
・金銭以外のやりがいや社会参加の意味を伝える
・褒める・感謝を伝えるなど心理的な報酬を活用
まとめ:困り事を「技術」で支援に変える
B型事業所での困り事は多様ですが、支援技術を工夫することで「困り事」が「成長のきっかけ」に変わります。
作業支援・行動支援・健康支援を組み合わせ、利用者一人ひとりが安心して働ける環境を整えることが重要です。