保育実習で施設に行く理由は、学校の中で学ぶ知識だけでは身につかない「現場での経験」を得るためです。主な目的は次のようなものがあります。
1. 子ども理解を深めるため
実際に子どもと関わることで、発達の段階や一人ひとりの個性を実感できます。
教科書で読んだ「年齢ごとの特徴」や「発達の目安」を、実際の姿と照らし合わせて理解できます。
2. 保育者の仕事を体験するため
保育士や職員がどんな視点で子どもを見ているのか、どんな声かけや支援をしているのかを学びます。
掃除や環境整備、行事の準備など、保育の裏側の仕事も知ることができます。
3. 自分の保育観を育てるため
子どもへの関わり方を実際にやってみて、「自分はどう接するのが得意か」「どこがまだ難しいか」を振り返れます。
経験を重ねることで、自分の将来の保育士像や働き方を考えるきっかけになります。
4. 社会的な視野を広げるため
保育所だけでなく、児童養護施設、障害児施設、高齢者施設などで実習をすることもあります。
いろいろな施設での生活や支援のあり方を知ることで、子どもや家庭を多面的に理解できるようになります。
施設での実習は 「子どもを知る」「保育を体験する」「自分を成長させる」ために必要となります。
では 保育園・児童養護施設・障害児施設・高齢者施設 など、それぞれの実習先に行く意味を整理してお伝えしますね。
① 保育園での実習
目的
乳幼児期の発達に合った保育を体験する。
子どもと直接関わり、生活(食事・排泄・遊び・午睡)の支援を学ぶ。
保育士の役割(安全の確保、発達支援、保護者対応)を知る。
👉「子どもと関わる力」「保育者としての基本」を身につける実習。
② 児童養護施設での実習
目的
家庭で生活できない子どもたちの生活支援を学ぶ。
心理的なケアや一人ひとりに寄り添った支援の大切さを実感する。
子どもの権利や社会福祉制度のあり方を知る。
👉「家庭ではなく施設で育つ子ども」の背景を理解し、広い視野を養う実習。
③ 障害児施設での実習
目的
障害のある子どもの発達や生活の特徴を理解する。
個々のニーズに合わせた支援方法(コミュニケーション支援、生活介助など)を学ぶ。
インクルーシブ保育・共生社会への理解を深める。
👉「一人ひとりの違いを尊重する保育」を学ぶ実習。
④ 高齢者施設での実習
目的
子どもだけでなく、高齢者の生活や介護についても理解する。
世代を超えた関わりの大切さを知る。
人の一生に寄り添う福祉の視点を広げる。
👉「人の一生に関わる支援」や「多世代交流の価値」を学ぶ実習。
まとめ
施設実習に行くのは、
子どもを理解する(保育園)
家庭で生活できない子を知る(児童養護施設)
障害のある子への支援を学ぶ(障害児施設)
人の一生を考える(高齢者施設)
といった、それぞれの側面から 福祉・教育・人の生き方を学ぶためです。
実習前の心構えとしてのポイント👇
実習前の心構え(施設別)
① 保育園
子どもの発達や生活リズムを「実際に体感」する場
安全・安心を守りつつ、遊びや生活を支える姿勢を学ぶ
👉 子ども理解と保育の基本を学ぶ実習
② 児童養護施設
家庭で暮らせない子どもの背景や思いを理解する
信頼関係を大切にし、寄り添う姿勢を学ぶ
👉 子どもにとっての“安心できる大人”を意識する実習
③ 障害児施設
障害による個々の違いを受け止める
一人ひとりに合った関わり方・支援方法を学ぶ
👉 「その子らしさ」を尊重する実習
④ 高齢者施設
人の一生や多世代のつながりを考える
相手の生活や dignity(尊厳)を大切にする姿勢を学ぶ
👉 福祉を広い視点で見る実習
💡共通の心構え
・「学ばせてもらう」という気持ちを忘れない
・子どもの行動や表情、職員の声かけをよく観察する
・疑問や気づきをその日のうちにメモする
・笑顔と挨拶を大切にする
これを押さえておくと、実習中に「なぜここで学んでいるのか」が見えやすくなりますよ😊