
他害とは?
障害者施設における「他害(たがい)」とは、利用者が 他の利用者や職員に対して暴力や暴言、物を壊すなどの攻撃的な行動 をしてしまうことを指します。
施設運営や支援の現場では大きな課題の一つであり、安全確保や適切な支援が求められます。
他害が起きる背景
コミュニケーションの困難さ
自分の気持ちや要望を言葉で表現できず、手や声で訴えてしまう。
感覚過敏やこだわり
音・光・匂いなどに敏感でストレスを受けやすい。
欲求不満や環境の変化
予定変更や待つことの苦手さ、人混みなどによって混乱する。
精神的・身体的要因
疾患や体調不良、服薬の影響なども他害の要因となることがある。
他害が及ぼす影響
被害者へのリスク
ケガや心理的ショックを受ける可能性がある。
本人への不利益
周囲から距離を置かれたり、活動の機会を制限されることもある。
職員や家族の負担
支援への不安やストレスが増える。
他害への支援方法
1. 予防的支援
- 環境調整(静かなスペースの確保、動線の分離)
- 視覚的スケジュールの提示
- 本人が落ち着ける活動を日常的に取り入れる
2. 兆候への早期対応
- 表情や態度の変化を観察
- 代替行動の提案(クッションを叩く、別室で休む)
- 職員間で対応の「合図」を共有
3. 行動後の対応
- 安全の確保(他利用者の避難、距離をとる)
- 落ち着いた後に原因を振り返り
- 記録を残し、チームで分析・改善
職員が注意すべきポイント
- 行動を「否定」するのではなく「背景」に注目する
- 職員自身が冷静に対応する
- 単独で抱え込まず、チームで共有・相談する

おのぴの
他害を1人の職員だけで抱え込むことはとても辛いことです。あまり関わりたくないことですが、他害に関わっている職員にはみんなで声をかけて、一緒に取り組んでいってあげましょう。
まとめ
障害者施設での他害は、本人の意思や感覚がうまく伝わらないことから生じるケースが多いです。

おのぴの
「なぜ起きたのか」を理解し、環境調整や予防的支援を行うことで、安全で安心できる場づくりにつながります。