
障害のある人を支える場には、「特別支援学校」と「障害者施設」があります。
どちらも支援を行う場所ですが、目的や対象、支援内容は大きく異なります。
この記事では、両者の違いをわかりやすく解説します。
特別支援学校とは?
特別支援学校の目的
特別支援学校は、障害のある児童生徒が自分の力を伸ばし、自立や社会参加を目指すための教育を行う学校です。
一人ひとりの特性に合わせた教育課程を編成し、学習面だけでなく生活面の支援も行います。
対象となる児童生徒
- 知的障害
- 肢体不自由
- 視覚障害
- 聴覚障害
- 病弱・医療的ケアが必要な児童生徒
などが対象です。小学部・中学部・高等部に分かれており、6歳から18歳までの子どもたちが学びます。
特別支援学校の支援内容
- 学習指導(教科・生活・社会性の育成)
- 自立活動(身体や心の動き、対人スキルの育成)
- 進路指導(就労や地域生活に向けた支援)
- 医療的ケア児への教育的支援
障害者施設とは?
障害者施設の目的
障害者施設は、障害のある方が安心して生活し、社会とつながりながら自分らしく暮らすことを目的とした支援の場です。
教育ではなく、日常生活や就労支援を中心としています。
対象となる利用者
主に18歳以上の成人が対象です。
特別支援学校を卒業した後に利用する方が多く、知的障害・精神障害・身体障害など、幅広い障害に対応しています。
障害者施設の支援内容
- 生活支援(食事・入浴・排泄などの介助)
- 就労支援(就労継続支援A型・B型など)
- 社会参加支援(地域交流・余暇活動など)
- 医療的ケア・相談支援
特別支援学校と障害者施設の主な違い
項目 | 特別支援学校 | 障害者施設 |
---|---|---|
目的 | 教育・自立支援 | 生活・福祉支援 |
対象者 | 6~18歳の児童生徒 | 18歳以上の成人 |
支援内容 | 学習・社会性・進路指導 | 生活介助・就労・社会参加 |
職員 | 教員中心(特別支援学校教諭など) | 福祉職中心(支援員・サービス管理責任者など) |
位置づけ | 教育機関 | 福祉サービス事業所 |
学校と施設の連携が大切
特別支援学校で育まれた学びや生活スキルを、障害者施設で活かせるようにするためには、学校と施設の連携が欠かせません。
- 情報共有によるスムーズな移行
- 利用者本人・家族への支援継続
- 進路支援会議などでの連携体制づくり

おのぴの
このようなつながりが、障害のある人の「生涯を通じた支援」につながります。
まとめ:学ぶ場と暮らす場の違いを理解しよう
特別支援学校は「学ぶ場所」、
障害者施設は「暮らす・働く場所」。
それぞれの支援には役割があり、目的は異なりますが、共通しているのはその人の自立と社会参加を支えることです。
教育と福祉が連携し、途切れない支援を行うことが、本人にとって最も大切な支えとなります。