「インクルージョン（Inclusion）」とは、「包括」「包み込むこと」という意味の言葉です。
福祉職場におけるインクルージョンとは、多様な人が互いに尊重され、誰も排除されない環境をつくる取り組みを指します。
利用者だけでなく、職員一人ひとりの個性や背景、考え方の違いも受け入れ、協働できるチームづくりが求められます。
インクルージョンの基本的な考え方
「違い」を否定せず、「価値」として活かす
インクルージョンの根底にあるのは、「違いを尊重する」姿勢です。
障害の有無、性別、年齢、国籍、働き方の違いなど、さまざまな要素を排除せず、多様性（ダイバーシティ）を活かすことで組織の力を高めるという考え方です。
ダイバーシティとの違い
「ダイバーシティ（多様性）」が“多様な人々が存在している状態”を指すのに対し、
「インクルージョン」はその多様な人たちが受け入れられ、活躍できる状態をつくることを意味します。
福祉職場でインクルージョンが重要な理由
1. 利用者支援の質が向上する
職員の多様な視点や経験が支援内容に反映されることで、より柔軟で個別性の高い支援が実現します。
2. チームの協働力が高まる
互いの違いを尊重する文化が根づくと、意見交換が活発になり、チーム全体の連携力が向上します。
3. 職員の定着や満足度が向上する
誰もが安心して意見を言える職場環境は、職員のストレス軽減やモチベーション維持にもつながります。
インクルージョンを実現するためのポイント
1. 相互理解を深める機会をつくる
研修やミーティングでの意見交換を通じて、お互いの背景や価値観を知る場を設けることが大切です。
2. 職員一人ひとりの「強み」を活かす
それぞれの得意分野や経験を認め合い、役割分担や支援方法に反映していくことで、チームの多様性が力になります。
3. 管理者・リーダーの意識改革
リーダー自身が「排除しない」「聞く姿勢を持つ」ことを意識し、全員が意見を出しやすい風土づくりを進めることが重要です。
まとめ：インクルージョンは「誰もが支え合う職場文化」
福祉職場のインクルージョンとは、単なる多様性の受け入れではなく、
多様な人が対等に関わり合い、支え合う文化を育てることです。
職員同士が互いに認め合い、利用者に対しても同じ姿勢で接することで、
「共に生きる社会」の実現に一歩近づくことができます。
Follow me!
