
事故記録は、福祉施設や介護現場などで発生したトラブルを「残すための書類」ではなく、再発防止と支援の質を高めるための重要なツールです。
本記事では、事故記録を次に生かすための具体的な方法を紹介します。
事故記録を次に生かす5つのステップ
① 原因を分析する(表面的な原因で終わらせない)
まずは、事故が起こった背景を深く掘り下げて分析しましょう。
「なぜその状況が起きたのか」を考えることで、真の原因が見えてきます。
例:

おのぴの
利用者が転倒した → 床が滑りやすかった
→ 清掃後に注意喚起表示がなかった
→ 清掃担当者と支援スタッフの連携不足が背景にあった
このように、「直接の原因」だけでなく「組織的・環境的要因」も整理します。
② チームで共有し、意見交換する
事故報告は個人の責任追及ではなく、チーム全体の学びの機会にすることが大切です。
カンファレンスやミーティングで事例を共有し、さまざまな視点から意見を出し合いましょう。
ポイント
- 事実ベースで冷静に振り返る
- 同様のリスクが他の場面に潜んでいないか確認する
③ 再発防止策を具体的に実行する
分析結果をもとに、具体的な行動計画に落とし込むことが重要です。
「誰が・いつまでに・どのように」改善するかを明確にします。
例:
- 清掃後の注意表示を設置(担当:環境整備班/即日対応)
- 転倒リスクの高い利用者の見守りを強化(担当:日中活動支援チーム)
④ 改善策の効果を検証する
改善策を実施したあとは、一定期間をおいて効果を確認します。
「事故件数が減ったか」「現場で定着しているか」を振り返りましょう。
検証の方法例:
- 月ごとのヒヤリハット報告を集計
- 定期的な安全会議で評価・見直しを実施
⑤ 教育・研修に反映させる
過去の事故事例を職員研修や新人教育の教材として活用しましょう。
現場での具体的なケースを通じて、危険予知力や対応力を高めることができます。
活用例:
- 新人研修での実例紹介
- 定期研修で「リスクの見える化」ワークを実施
まとめ:事故記録は「学びの資源」
事故記録は「問題を残すための書類」ではなく、組織全体の安全文化を育てるツールです。

おのぴの
記録 → 分析 → 共有 → 改善 → 検証 → 教育
このサイクルを継続することで、事故防止だけでなく、
支援の質向上・チーム力アップ・利用者の安心にもつながります。




