
福祉の現場では「言葉」だけでは十分に気持ちや意図が伝わらないことが多くあります。利用者の特性や状況によっては、話すことが難しい方・不安を抱えている方もいます。そのため、
言葉以外のコミュニケーション=ノンバーバルコミュニケーション
が信頼関係づくりの大きな鍵になります。
ノンバーバル(非言語)コミュニケーションとは?
ノンバーバルコミュニケーションとは、言葉以外で気持ちや情報を伝える手段のことです。
代表的な要素には以下があります。
- 表情
- 目線・視線
- 声のトーン・話す速さ
- 身体の向き・姿勢・しぐさ
- 距離感(パーソナルスペース)
- 身だしなみ
- タッチング(触れるコミュニケーション)
- 環境づくり(空間の安心感など)
言葉よりも態度や雰囲気の方が印象に残りやすく、利用者の安心感に直結します。
福祉職場で重要なノンバーバルスキル
表情|安心感と信頼を生む
笑顔は利用者の不安や緊張を和らげます。
ただし、状況に応じて落ち着いた表情、真剣な表情に切り替える柔軟さも大切です。
ポイント
- 優しい目線
- 強いにらみや無表情を避ける
- 表情と声の雰囲気を合わせる
姿勢・しぐさ|寄り添いの姿勢を示す
姿勢だけで「あなたを大切にしています」という気持ちは伝わります。
実例
- 利用者と同じ目線にしゃがむ
- 身体を向けて話を聞く
- 腕組み・ため息・時計ばかり見る行動はNG
声のトーン・スピード|安心感を与える声かけ
声の高さやスピードは、相手の気持ちを大きく左右します。
基本は
- ゆっくり
- 落ち着いた声
- 優しいトーン
緊急時ははっきり・短く・落ち着いて。
距離感|相手に合わせた適切なスペース
近づきすぎると不安や抵抗を生むことがあります。
視線やしぐさから、相手が心地よい距離を探ります。
タッチング|安心のスキンシップ
肩にそっと触れる、手を添えるなど、触れる行為は安心を届ける手段です。
ただし、相手の許容度を必ず尊重することが大前提です。
利用者のノンバーバルサインを読み取る
- 体がこわばっている
- 手を握りしめている
- 視線が不安定
- 身を引く、距離を取る
- 表情が曇る、涙目
- 動きがいつもより少ない/多い
こうした変化は、「困っている」「不安」「助けてほしい」などのサインかもしれません。
すぐにできる実践ポイント
- 朝の挨拶は必ず笑顔で
- 目線を合わせて話す
- 相手のペースに合わせて動く
- 表情・姿勢・声が一致しているか意識する
- 忙しくても「待つ姿勢」を持つ
まとめ
福祉職場のノンバーバルコミュニケーションは、利用者の安心・信頼・尊厳を守るための大切な技術です。
優しい言葉だけでは不十分。
表情・姿勢・声のトーン・距離感といった、言葉にならない部分こそ、心に届きます。
日々のちょっとした意識の積み重ねが、信頼関係を深め、より良いケアや支援につながります。




