
「自分一人で抱え込んでしまって、後から問題が大きくなった……」
「忙しそうな看護師さんに声をかけるタイミングがわからない……」
「上司に報告したけれど、『結局、何が言いたいの?』と言われてしまった……」
福祉や介護の現場は、常に時間との戦いです。しかし、「報告」の質が少し上がるだけで、チームの連携は劇的にスムーズになり、あなた自身の心の負担も軽くなります。
今回は、孤立せずにチーム一丸となって利用者様を支えるための、具体的な情報伝達スキルを3つご紹介します。
1. 方針のズレを防ぐ!「事実(Fact)」を正しく伝える技術
支援の現場でよくあるミスが、「事実」と「自分の解釈(意見)」を混ぜて伝えてしまうことです。
- NG例: 「A様、今日はなんだか機嫌が悪くて、不穏な感じでした」
- OK例: 「A様、朝食時に『食べたくない』と食器を押し返し、30分ほど無言で下を向かれていました」
なぜ「事実」が重要なのか?
「機嫌が悪い」という言葉の受け取り方は人それぞれです。しかし、「食器を押し返した」という事実は、誰が聞いても共通の認識になります。
コツ:カメラで撮影した映像を言葉にするイメージで
報告する前に、一瞬だけ「それは私の感想かな?それとも客観的な動きかな?」とセルフチェックする癖をつけましょう。
2. 忙しい現場の強い味方!「PREP法」で1分報告
「今、お時間よろしいですか?」と切り出したものの、話が長くなって相手をイライラさせてしまう……。そんな悩みを解決するのが、ビジネスの定番「PREP(プレップ)法」です。
報告の構成を以下の順番に固定するだけで、驚くほど伝わりやすくなります。
| 要素 | 内容 | 具体例 |
| Point(結論) | 最初に要点を伝える | 「B様の入浴介助について、相談があります」 |
| Reason(理由) | なぜその結論に至ったか | 「右足の甲に赤みがあり、痛みも訴えられているためです」 |
| Example(具体例) | 事実や詳細を補足 | 「昨日の夜にはなかった症状で、少し熱感もあります」 |
| Point(結論) | 最後に次の一動を確認 | 「今日は入浴を控えて、看護師の清拭に変更しても良いでしょうか?」 |
「結論から言う」。これだけで、忙しいリーダーや上司の手を止める時間を最小限に抑えられます。
3. 専門性をリスペクトする「相談」のコツ
看護師、相談員、リハビリ職……。多職種連携で大切なのは、相手の「専門性の領域」を尊重した頼り方をすることです。
「丸投げ」ではなく「意見を仰ぐ」
「どうすればいいですか?」という丸投げの質問は、相手に大きな負担をかけます。相手の専門領域に合わせた聞き方を意識してみましょう。
- 対 看護師: 「バイタルは正常ですが、顔色が気になります。医学的な視点から見て、様子見で大丈夫でしょうか?」
- 対 相談員: 「ご家族からリハビリを増やしたいと要望がありました。契約やプランの観点から、どのようにお答えするのがスムーズでしょうか?」
Point:
相手を「その道のプロ」として頼る姿勢を見せることで、相手も「よし、協力しよう」という気持ちになり、チームの結束力が強まります。
まとめ:報告は「自分を守る」ためのスキル
情報共有をスムーズに行うことは、利用者様のためだけでなく、あなた自身を孤立から守るための防衛策でもあります。
- 「事実」をベースに伝える
- 「PREP法」で結論から話す
- 「専門性」を尊重して相談する
まずは今日の勤務の中で、一つだけ意識して伝えてみませんか?その一歩が、チームの空気を変えるきっかけになるはずです。




