
ナラティブアプローチとは?
ナラティブアプローチ(Narrative Approach)とは、「ナラティブ=物語・語り」を大切にする支援の方法です。
福祉の現場では、利用者や家族が自分の経験や思いを「語ること」によって、自己理解を深めたり、新しい意味づけを見いだすことができます。
単なる事実の把握ではなく、その人の「物語」を通して価値観や人生観を理解し、支援の方向性を共に考えることがナラティブアプローチの特徴です。
ナラティブアプローチの基本的な考え方
本人の語りを尊重する
支援者が一方的に「正解」を押し付けるのではなく、本人が語る言葉や体験を中心に置きます。
多様な物語を認める
人は誰しも、苦悩や希望、葛藤を抱えています。ナラティブアプローチでは、語りを「正しい・間違い」で評価せず、そのまま受け止めます。
新しい物語を共に紡ぐ
問題や困難に焦点を当てるだけでなく、強みや希望を見出しながら、本人が望む生き方を再構築できるよう支援します。
福祉の現場での活用例
相談支援
利用者が自分の人生や障害について語ることを、支援者が丁寧に聴くことで、自己理解や自己決定をサポートします。
ケアマネジメント
ケアプランを作成する際、生活歴や体験談を大切にすることで、本人の望む暮らしに近づける支援が可能になります。
グループワーク
仲間と語り合うことで、「自分だけではない」という共感や安心感が生まれ、孤立感の軽減につながります。
エンパワメント支援
語ることによって、自分の価値や強さを再認識し、前向きに生きる力を高めることができます。
ナラティブアプローチのメリット
- 本人の主体性や自己決定を尊重できる
- 利用者と支援者の信頼関係が深まる
- 本人の言葉で理解できるため分かりやすい
- 問題ではなく「可能性」に焦点を当てられる
まとめ
ナラティブアプローチは、利用者の人生や思いを「物語」として尊重し、その人らしい暮らしを共に考えていく支援方法です。

おのぴの
福祉の現場で活用することで、利用者のエンパワメントや自己決定を後押しし、希望に基づいた支援を実現できます。

