
はじめに
福祉職場では、日々の支援を振り返りながら学びを深めることが大切です。
そのための手法として注目されているのが「SDS(エス・ディー・エス)」です。
本記事では、SDSの意味や目的、活用方法をわかりやすく解説します。
SDSとは?3つのステップで学びを深める
SDSの意味
SDSとは、以下の3つのステップからなる振り返りの仕組みです。
- S(Self):自分で考える(自己評価・自己点検)
- D(Dialogue):対話する(上司や同僚と意見交換)
- S(Summary):まとめる(学びの整理・次への課題設定)
この流れに沿って振り返ることで、支援の質を客観的に見直し、次の行動に活かすことができます。
福祉職場でSDSが重要な理由
専門性を高めるための「気づきの仕組み」
福祉の現場では、正解が一つではない支援が多くあります。
SDSは、職員が自分の行動や考えを振り返り、対話を通して新たな視点を得ることで、専門性を高めるための有効な仕組みです。
チームで学び合う文化をつくる
SDSを通して、職員同士が意見を交わすことで、チーム全体の共通理解が深まり、支援の方向性をそろえることができます。
福祉職場でのSDSの活用場面
① OJTや実習後の振り返り
新人職員が支援後にSDSシートを使って自己評価し、
上司や先輩と対話を行いながら改善点を見つけていきます。
② ミーティングやケース検討
支援事例をSDSの流れで振り返り、チーム全体で課題を整理。
「次にどう支援するか」を明確にまとめることができます。
③ 年度末の人事評価・研修計画
職員がSDS形式で一年間の業務を振り返り、
次年度の課題や目標設定に活用するケースも増えています。
SDSの進め方(基本の流れ)
Step1:Self(自己評価)
自分の支援を振り返り、「うまくいった点」「課題だった点」を整理します。
Step2:Dialogue(対話)
上司や同僚と話し合い、異なる視点からフィードバックを受けます。
Step3:Summary(まとめ)
対話を通して得た気づきをもとに、今後の目標や改善策を明確にします。
SDSを導入するメリット
- 振り返りが「感想」で終わらず、学びとして定着する
- 支援の質を継続的に改善できる
- 上司と職員の信頼関係を深めるコミュニケーションになる
- 職員のモチベーション向上につながる
まとめ:SDSで学び続ける職場づくりを
SDSは、職員一人ひとりの学びを促し、チーム全体の支援力を高める有効な仕組みです。
日々の業務の中でSDSを取り入れ、「振り返る文化」を育てていくことが、福祉職場の成長につながります。

