
5W1Hとは?
「5W1H」とは、物事を整理して分かりやすく伝えるためのフレームワークです。
英語の疑問詞の頭文字を取っており、以下の6つで構成されます。
- Who(誰が):関係する人・主体
- What(何を):出来事や行動、支援内容
- When(いつ):時間・時期・経過
- Where(どこで):場所や場面
- Why(なぜ):理由や目的、背景
- How(どのように):方法や手段
福祉の現場では、日常記録や事故報告、ケース検討などにこの5W1Hを活用することで、誰が読んでも分かりやすく、根拠ある記録を残すことができます。
福祉バージョンの5W1Hテンプレート
福祉現場で使いやすい形に整理すると、以下のようになります。
- Who(誰が):利用者・職員・家族・関係機関
- What(何を):出来事・行動・支援内容
- When(いつ):日時・時間帯・経過
- Where(どこで):施設内・外出先・家庭など
- Why(なぜ):理由・目的・背景・ニーズ
- How(どのように):支援の方法・対応・結果
5W1Hを使った福祉の記録例
例1:日常記録(行動観察)
- Who:利用者Aさん
- What:昼食を拒否
- When:9月27日 12時30分頃
- Where:食堂
- Why:体調不良により食欲がなかったためと推測
- How:声かけを行い水分は摂取可能、午後に再度様子確認
➡ 文章例
「9月27日12時30分頃、Aさんが食堂で昼食を拒否された。体調不良による食欲低下が原因と考えられる。声かけにより水分は摂取できたため、午後に再度観察を行った。」
例2:事故報告
- Who:利用者Bさん
- What:転倒し擦り傷
- When:9月27日 午後2時15分
- Where:2階廊下、トイレ前
- Why:スリッパのかかとを踏み外したため
- How:職員が応急処置を行い、家族へ連絡、経過観察中
➡ 文章例
「9月27日午後2時15分、Bさんが2階廊下で転倒し右ひざに擦り傷を負った。スリッパのかかとを踏み外したことが原因。職員が応急処置を行い、家族へ報告。現在は経過観察を続けている。」
例3:ケース検討(支援計画)
- Who:Cさん(知的障害、30代)
- What:就労継続支援B型への移行希望
- When:来年度(2026年4月)から
- Where:現生活介護事業所から通所変更予定
- Why:本人希望と家族同意
- How:相談支援専門員・家族・事業所と連携し移行支援計画を作成
➡ 文章例
「Cさん(30代、知的障害)が来年度から就労継続支援B型事業所への移行を希望している。本人と家族の意思を尊重し、相談支援専門員や事業所と連携しながら移行支援計画を作成する。」
福祉現場で5W1Hを使うメリット
- 情報の抜け漏れを防げる
- 事実と支援の視点が整理できる
- 職員間で共通理解がしやすい
- 利用者・家族への説明が分かりやすい
まとめ
福祉の現場では、日常の記録や事故報告、支援計画など多くの場面で5W1Hを活用できます。
「誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように」を意識することで、正確で伝わりやすい記録や報告を作成でき、チーム支援の質を高めることにつながります。