SDCAサイクルとは、
「Standard(標準)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」
の流れで、業務を標準化し、継続的に改善する仕組みです。

福祉現場では、支援の質を一定に保ちつつ、職員間の支援方法を統一するために活用されています。
SDCAとPDCAの違い
SDCAは、PDCAサイクル(Plan→Do→Check→Action)から派生した手法です。
主な違いは、最初のステップが「計画(Plan)」ではなく「標準(Standard)」である点です。
比較項目 | PDCAサイクル | SDCAサイクル |
---|---|---|
最初の段階 | Plan(計画) | Standard(標準) |
目的 | 新しい仕組みや改善案を試行 | 既存の標準を維持・改善 |
活用場面 | 新規の取組み | 継続的な業務改善・安定化 |
福祉での役割 | 新しい支援や制度の導入 | 支援の質を一定に保つ |
つまり、
- PDCA:新しい方法を考え、試行・改善する
- SDCA:定めた方法を守り、評価・改良する
という使い分けが重要です。
福祉現場でのSDCAサイクルの流れ
① Standard(標準)
まず、支援や業務の基本となる標準を定めます。
例:
- 支援マニュアルの作成
- 記録様式・報告方法の統一
- 利用者対応の基本ルール整備
② Do(実行)
決めた標準に沿って、職員全員が支援を実施します。
例:
- 食事介助や入浴介助をマニュアル通りに行う
- 記録や連絡を決められた方法で行う
③ Check(評価)
実施内容が標準に沿って行われているかを点検・評価します。
例:
- ケース記録の確認
- ミーティングでの支援内容振り返り
- モニタリング会議による検証
④ Action(改善)
評価をもとに、標準の内容を修正・改善します。
例:
- マニュアル更新
- 支援手順の見直し
- 職員研修による再教育
福祉現場でSDCAを活用するメリット
- 支援のばらつきを防止できる
- 新人や異動職員への教育がスムーズになる
- 利用者への支援の質を一定に保てる
- 改善活動が継続的・安定的に行える
福祉でSDCAを定着させるポイント
- 標準(Standard)を全職員で共有すること
→ 支援の基本姿勢や考え方を共通認識にする。 - 定期的に標準を見直す仕組みを作ること
→ 利用者ニーズや社会変化に合わせて更新する。 - PDCAとSDCAを組み合わせて使うこと
→ 新しい試みはPDCA、日常運営はSDCAで回すと効果的。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | SDCAサイクル(Standard・Do・Check・Action) |
目的 | 支援業務の標準化と継続的改善 |
福祉現場での活用 | 支援マニュアル、記録、研修など |
メリット | 安定した支援・質の向上・チーム力強化 |