
障害者支援施設の新人職員は、「支援の正解が一つではない難しさ」を前に、期待と不安を抱きながら現場に入ります。多くの新人が共通してぶつかる3つの壁と、その乗り越え方を解説します。
新人がつまずく“3つの壁”とは?
障害者支援の現場では、利用者1人ひとりに合わせた支援が求められます。
そのため、新人は特に次の壁に直面しやすくなります。
- 支援技術と専門知識の壁
- コミュニケーション・関係構築の壁
- 心の負担・感情の壁
壁① 支援技術と専門知識の壁
つまずきやすい理由
・身体・知的・精神障害など多様な支援がある
・記録、ADL(生活支援技術)、福祉制度など覚えることが多い
・正解が1つでなく「迷い」が大きい
乗り越えるための現場の関わり
- 利用者理解を深める機会を作る
特性・行動理由・成功体験を共有 - 成功体験を積ませる段階支援
できた支援を一緒に喜ぶ - 失敗の振り返りを「責めない場」で行う
次の改善へとつながる
例)
「◯◯さんは視覚情報が分かりやすいので、指差し確認が上手でしたね」

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支援の手応えが自信を育てる鍵になります。
壁② コミュニケーションと関係構築の壁
つまずきやすい理由
・利用者の意思表出が言語以外のことも多い
・先輩職員の支援スタイル差に迷いが出る
・声かけ一つで関係が変わりやすい
乗り越えるための現場の関わり
- ノンバーバル(非言語)を一緒に読み解く
表情・視線・行動からニーズを探る - 指導は“具体的に短く”
改善点を行動で伝える - 新人が相談しやすい空気づくり
「困ったらすぐ呼んでね」と日常的に声をかける
例)
「怒っているように見えるけど、実は不安のサイン。この時は手順予告が大切です」

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情報共有ができる職場ほど新人が成長しやすくなります。
壁③ 心の負担(迷い・不安・自己否定)の壁
つまずきやすい理由
・支援拒否を「嫌われた」と捉えてしまう
・虐待防止のプレッシャーが大きい
・他の職員が忙しそうで相談を遠慮する
乗り越えるための現場の関わり
- 感情を受け止める短い聞き返し
例)「しんどかったね」 - 「できている部分」から伝える
成功の芽に光を当てる - 指導者(メンター)制度の導入
安心して頼れる存在が必要
例)
「拒否が出たのは、あなたの声かけで意識が向いた証拠だよ」

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心が折れそうな時ほど寄り添いが重要です。
新人定着には「理解・共有・伴走」の3つが鍵
障害者施設では、経験値よりも“利用者理解と姿勢”が大切。
新人の不安を放置せず、現場全体で支援することで離職防止につながります。
・知識は後から必ず身につく
・支援技術は経験とともに磨かれる
・寄り添う姿勢は最初から育てられる

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できている支援に光を当て、「あなたは必要な存在」と伝えることが成長の土台になります。




