ノンバーバルを“ケアの言語”として使うコミュニケーション技術

ノンバーバルは「もう一つの言語」

介護・福祉の現場では、言葉での説明よりも、表情・視線・姿勢・声のトーンといったノンバーバル（非言語）要素が相手の安心感や信頼を大きく左右します。

とくに、言語理解が難しい利用者さんや認知症の方、障害をお持ちの方との関わりでは、

「どう話すか」より、「どう寄り添うか」

が重要なコミュニケーションの鍵になります。

穏やかな表情やゆっくりとした動きは、利用者さんの緊張を和らげます。

言葉の理解が難しい場面でも、「あなたを大切にしています」という態度は伝わります。

急な動きや無表情は不安につながります。
ノンバーバルを意識することで、誤解や混乱を防げます。

・柔らかな笑顔を保つ
・不安を感じている利用者さんには、眉を下げ共感の表情を

・必ず目線を合わせる
・立ったまま見下ろさない（しゃがむ、横に並ぶ）

・前のめり過ぎない
・早い動き、雑な動きは避ける
・パーソナルスペースを尊重する

・ゆっくり、落ち着いた声
・疑問形や命令のトーンに注意
・短く、やさしい言葉でリズム良く

✖ 無表情で「行きますよ」
◯ 微笑みながら「これからお風呂に行きましょうね。ゆっくり行きますよ」

✖ いきなり抱える
◯ 目を合わせ、軽く手を添えて「準備できたら一緒に立ちましょう」

・焦らせない
・驚かせない
・ゆっくりと、優しいまなざしで

自身の声の印象を客観視。

表情・姿勢・目線をチェック。

「利用者役」「スタッフ役」を交代して体感。

「今日の表情はどうか」「落ち着いているか」を習慣化。

・朝礼で「表情・動き」の確認
・ケア記録に感情・反応もメモ
・良い対応の共有とフィードバック

小さな積み重ねが、利用者さんの生活の質と職員間の信頼を高めます。

ノンバーバルは、介護・福祉現場において安心・信頼・尊厳を支える言語です。

言葉が届かないときこそ、表情・声・姿勢で寄り添うことが、真のコミュニケーションと言えます。

おのぴの

ノンバーバルを磨くことは、技術だけでなく人としての温かさを育むプロセスでもあります。

日々のケアに「見えない言語」を取り入れ、より安心できる支援を目指しましょう。

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