
「報・連・相」とは?介護・福祉現場での基本
「報・連・相(ほうれんそう)」とは、
報告(Report)・連絡(Communicate)・相談(Consult) の略です。
どんな職場でも大切な要素ですが、介護・福祉の現場では「命」と「安心」に関わるため、特に重要です。
例えば、
- 報告:利用者の体調変化を上司や看護師に伝える
- 連絡:家族や他部署への情報共有
- 相談:対応に迷うケースを上司やチームに相談する
この3つを意識するだけで、事故防止・サービス向上・チームの信頼関係づくりに大きな効果があります。
報告の実践例|小さな変化を正確に伝える
1. 状況を具体的に伝える
悪い例:「Aさん、なんか元気なさそうです。」
良い例:「Aさん、今朝から食事の量が半分ほどで、いつもより声が小さいです。」
→ “なんとなく” ではなく、時間・行動・量・表情など具体的な事実で伝えるのが基本です。
2. 伝えるタイミングを逃さない
「あとで伝えよう」と思って忘れるケースが多いもの。
異変を感じたら、その場で短く報告することが大切です。
例:「Aさんが立ち上がるときにふらつきがありました。念のため記録にも残します。」
連絡の実践例|チームの情報共有をスムーズに
1. 関係者全員に伝える意識を
介護職・看護師・相談員・家族など、複数の立場が関わる現場では、「伝えたつもり」になりがちです。
特に、口頭だけでなく記録・LINE WORKS・申し送りノートなどツールを併用しましょう。
例:「Bさんの通院日が変更になりました。11日→13日に変更済み。家族にも連絡済みです。」
2. ネガティブ情報ほど早めに
転倒・発熱・トラブル対応など、ネガティブな情報ほど早く共有が必要です。
早い連絡がトラブル拡大を防ぎます。
相談の実践例|一人で抱え込まない
1. 判断に迷ったらすぐ相談
利用者対応・家族対応・記録内容など、迷った時点で相談することが大切です。
「自分でなんとかしよう」と抱え込むと、リスクやストレスが増します。
例:「Cさんの夜間の不眠が続いています。薬の調整をお願いした方がいいでしょうか?」
2. 相談しやすい雰囲気づくり
上司や先輩が「なんでも聞いて」と言っても、雰囲気が硬ければ難しいもの。
相談を受けた側の態度(否定しない・共感する)がチーム文化を左右します。
報・連・相がうまく回るチームの特徴
- 情報伝達ルールが明確(誰に・どの方法で伝えるか)
- ミスを責めずに共有できる文化
- 定期的な振り返りやカンファレンスがある
- 新人も意見を言いやすい雰囲気
こうしたチームでは、報・連・相が自然に行われ、結果としてケアの質も安定します。
現場で意識したい3つのポイント
- 伝える前に整理する(5W1H)
→「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうした」 - 聞く側もメモを取る
→ 言いっぱなし・聞き流し防止 - 記録を残す
→ 言葉だけでなく、記録で証拠を残すことでチーム全体の安心につながる
まとめ|「報・連・相」は信頼をつくるケアの基礎
介護・福祉の現場では、報・連・相は“人を守る技術”です。
単なる業務連絡ではなく、利用者・家族・職員が安心して関われる土台になります。
日々の小さな報告や相談が、チームの信頼とケアの質を支える柱です。
忙しい現場だからこそ、「伝える力」を意識的に磨いていきましょう。




