
令和8年度(2026年度)の障害福祉サービス等報酬改定の全容が見えてきました。今回の改定の大きな柱は、現場職員の「処遇改善(賃上げ)」と、実態に即した「臨時応急的な制度の見直し」の2点です。
本記事では、経営者や施設管理者が把握しておくべき具体的な金額や、各サービスごとの変更ポイントを、専門用語を抑えて分かりやすく解説します。
1. 福祉・介護職員等処遇改善加算の拡充(月額最大1.9万円の賃上げ)

最も注目されるのが、職員のさらなる賃上げに向けた加算の拡充です。今回の改定では、対象範囲の拡大と金額の上乗せが行われます。
💡 賃上げの具体的な内訳
- ベースとなる賃上げ: 月額 10,000円(3.3%相当)
- 生産性向上・協働化の上乗せ: 月額 3,000円(1.0%相当)
- 定期昇給分(見込み): 月額 6,000円
- 合計: 福祉・介護職員について 最大 月額1.9万円(6.3%) の賃上げを実現する措置
ここがポイント!対象範囲の拡大
これまでは「福祉・介護職員」に限定されていた加算対象が、広く「障害福祉従事者」へと拡大されます。さらに、これまで対象外だった以下の相談支援系サービスにも新たに処遇改善加算が創設されます。
- 計画相談支援 / 障害児相談支援
- 地域移行支援 / 地域定着支援
※施行時期:令和8年6月予定
2. 就労支援・B型事業所の適正化見直し
一部のサービスにおいて、制度の趣旨に合わせた基準の調整が行われます。特に「就労継続支援B型」に大きな影響があります。
就労継続支援B型:報酬区分の基準が「3,000円」引き上げ
令和6年度の改定で平均工賃の計算方法が変わったことで、多くの事業所で工賃額が上がり、報酬区分が想定より高くなる事態が発生しました。これを受け、実態に合わせるため報酬判定の基準額が調整されます。
| 項目 | 改定内容 |
| 判定基準額 | 一律 3,000円引き上げ |
| 理由 | 計算方法変更による工賃上昇の「ゲタ」を適正化するため |
就労移行支援:加算の算定上限設定
「就労移行支援体制加算」について、一般就労への移行実績を適切に評価するため、年間の算定人数に「利用定員」までの上限が設けられます。
3. 児童発達支援・放課後等デイサービスの専門性強化
子ども向けのサービスでは、より高度な専門支援を評価する加算が具体化されています。
- 強度行動障害児支援加算: 養成研修修了者の配置と計画的な支援を評価。
- 人工内耳装用児支援加算: 言語聴覚士の配置等による専門的ケアを評価。
- 視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算: 重度の感覚障害がある児への意思疎通支援を評価。
まとめ:令和8年度改定に備えて
今回の改定は、人材確保のための「賃上げ」が強力に推進される一方で、報酬体系の「適正化」もシビアに行われます。特にB型事業所などは報酬区分が変わる可能性があるため、早めのシミュレーションが重要です。
最新情報をチェックし、スタッフの処遇改善と安定した施設運営を両立させていきましょう。

【保存版】障害者施設職員のための「伝わる」会話の組み立て方5ステップ!もう現場のコミュニケーションで悩まない
「利用者さんに言葉が伝わらない…」と悩む障害者施設職員の方必見!特性に合わせた会話の組み立て方を5ステップで解説。結論から伝えるコツや、具体的なOK/NG例など、明日から現場で使える実践的なコミュニケーション技術を分かりやすく紹介します。

【2024報酬改定】加算取得で現場がパンク?事務負担を3割減らすための3つの具体策
2024年度(令和6年度)の障害福祉報酬改定による事務負担増にお悩みの方必見。処遇改善加算の一本化や新設加算への対応で「現場がパンク」するのを防ぐため、ICT活用や記録の効率化など、事務作業を3割削減してスムーズに加算を取得するための具体策を解説します。

【決定版】障害福祉のスキルマップ作成ガイド|職員の能力を可視化する項目例を公開
障害福祉施設の職員育成に悩む管理者必見!スキルマップの具体的な作成ステップと、生活支援・接遇・マネジメントなど今すぐ使える項目例を一覧で公開します。職員の能力を可視化し、サービスの質向上と離職防止を両立させる「決定版」ガイドです。


