
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に制限が出た際に、本人や家族を支えるための重要な所得保障制度です 。しかし、「手続きが複雑」「何から始めればいいか分からない」と悩む方も少なくありません。
本記事では、申請をスムーズに進めるためのステップを網羅的にご紹介します。
1. 障害年金の基本構造と「3大受給要件」
日本の障害年金は、初診日に加入していた年金制度によって種類が異なります 。
- 障害基礎年金: 自営業、学生、主婦(夫)などの方が対象 。
- 障害厚生年金: 会社員や公務員などの方が対象。基礎年金より広い範囲(3級や手当金)がカバーされます 。
受給のためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります 。
- 初診日要件: 障害の原因となった傷病で初めて医師の診療を受けた日に年金に加入していること 。
- 保険料納付要件: 初診日の前日において、一定以上の保険料を納付(または免除)していること 。
- 障害状態該当要件: 障害認定日に、法令で定める障害等級(1〜3級)の状態にあること 。
2. 2026年度(令和8年度)の最新受給額
年金額は物価や賃金の変動に合わせて毎年改定されます。2026年度(令和8年度)は、前年度比で1.9%の引き上げとなりました。
| 等級 | 2026年度(令和8年度)月額(目安) | 備考 |
| 1級 | 88,260円 + 子の加算 | 2級の1.25倍 |
| 2級 | 70,608円 + 子の加算 | |
| 3級 | 52,958円(最低保障額) | 障害厚生年金のみ |
※「子の加算」は、1人目・2人目は各月額20,316円、3人目以降は各月額6,775円です。
3. 「初診日」の証明が難しい場合の対処法
申請の出発点となる「初診日」の証明は、最も重要なハードルです。カルテの保管期間(5年)が過ぎていたり、病院が廃院していたりする場合は、以下の資料で代替できる可能性があります 。
- お薬手帳や診察券、当時の日記
- 身体障害者手帳の申請診断書の写し
- 第三者証明: 三親等以内の親族以外(友人、同僚など)2名以上による受診状況の証言 。
20歳前の初診であれば、第三者証明のみで認められるケースもありますが、20歳以降の場合は他の客観的資料との組み合わせが必須となります 。
4. 書類作成のコツ:診断書と申立書の整合性
障害年金は「書類審査」のみで行われます。そのため、医師が書く「診断書」と本人が書く「病歴・就労状況等申立書」の内容が矛盾しないことが極めて重要です 。
診断書作成の依頼
医師は診察室での様子しか分かりません。日常生活で「誰の、どのような助けが必要か」を具体的にまとめたメモを渡すと、実態に即した診断書を書いてもらいやすくなります 。
申立書執筆のポイント
- 5W1Hを意識する: 「いつ、どこで、誰に、どのような援助を受けているか」を具体的に記述します 。
- 3〜5年ごとに区切る: 同じ病院に長く通っている場合でも、期間を区切って症状の変化を明確にします 。
- 「一人暮らし」を想定する: 家族のサポートがある場合でも、「自分一人で生活するとしたら可能か」という基準で判断します 。
5. 葛飾区の便利な予約システム(LoGoフォーム)
葛飾区では、障害基礎年金の相談予約に「インターネット予約システム(LoGoフォーム)」を導入しています 。
- 24時間365日予約可能: スマートフォンからいつでも予約できます 。
- 相談時間の短縮: 事前に症状や初診日を入力するため、当日のやり取りがスムーズになります 。
- 注意点: 予約した相談の実施場所は「葛飾区役所3階 315番窓口(国保年金課)」です。年金事務所とは場所が異なるため注意が必要です 。
6. オンライン申請はできるのか?
2026年時点においても、障害年金の申請は「紙ベース」が原則です。
マイナポータルを通じて一部情報の確認や補助は可能ですが、医師による専用様式の診断書や詳細な申立書を添付する必要があるため、現時点では完全にオンラインだけで完結させることはできません。
まとめ:早めの準備と専門家への相談を
障害年金には「時効」があり、遡及請求(さかのぼり請求)ができるのは最大で過去5年分までです 。また、請求が1日遅れるだけで受給開始が1ヶ月遅れるリスクもあります 。
手続きに不安がある場合は、社会保険労務士(社労士)などの専門家に相談することも有効な手段です。書類作成の負担を軽減し、受給の可能性を高めることができます 。
参考窓口(葛飾区)
- 葛飾区役所 国保年金課: 03-5654-8214
- 葛飾年金事務所: 03-3695-2181




