こんにちは、おのぴのです。
私の施設の利用者さんに、以前こんなことを聞かれました。
「おにぎり」と「おむすび」って何が違うんですか?
海苔を付けるか付けないかじゃない?(適当)
言われると全然わからなかったので、その場で適当なことを答えてしまいました!
確かに「おにぎり」と「おむすび」は誰でも知っています。
時間がない時や休日の朝にコンビニでさっと買えるし、お弁当で持って行ったこともあります。
ですが、みなさんは何で呼び方が違うか知っていますか?
説明できないと格好がつかなかったので、調べたことを紹介したいと思います。
「おにぎり」と「おむすび」 の意味
意味に関しては「全く同じ」です。
どちらも「お米」を握って作るからね。
現在は使い分けや違いはほぼ無いようですが、昔は意味の違いがあったり、使い分けがされていたようです。
「おにぎり」と「おむすび」 には色々な「説」があったので、説明していきます。
「おにぎり」の語源について
おにぎりの語源については、古事記などに「握飯(にぎりいい)」という言葉が記されています。
これはご飯をにぎる動作のことで、ここから「おにぎり」という語源がきているという説です。
もう一つは、「鬼切り(鬼を切る)」からきているという説です。
鬼が出てきた!なんか嘘っぽい!
あくまで「説」です。
これは、「鬼を切る」という言葉から魔除けの効果があると考えられていたり、鬼退治のために握飯を投げつける民話もあるそうです。
鬼を「おにぎり」で退治出来たら、犬、サル、キジでも退治できるね。
「おむすび」の語源について
おむすびの語源は、こちらも古事記からになります。
古事記に登場する農業の神様「神産巣日神(かみむすびのかみ)」が由来となっている説があります。
どちら様でしょうか?
そもそも漢字が読めなかったし、聞いたこともないですね。
神産巣日神が稲に宿ると信じられていたことから「おむすび」という名がついたと言われています。
ちなみに、産巣日 (むすび)の産巣(むす)には生み出すという意味があって、息子や娘はこの産巣(むす)が語源になっているそうです。
こっちのついでの方がビックリだ!
「おにぎり」と「おむすび」の形について
おむすびは、神様が由来すると考えられていたので、「お供え物」として用いられたようです。
三角の形は神様が宿る「山」を真似ていて、口にすることで健康を願っていたと言われています。
こうしたことから、三角形に握られているものを「おむすび」の定義とする説があります。
一方のおにぎりですが、こちらは特に定められている形は無いようです。
鬼に投げちゃうからね♪
これも説ですが、関東は三角形、関西は俵型が多いと言われています。関西は味付け海苔を巻くことが多いそうで、巻きやすい俵型が理由になっているようです。
「おにぎり」「おむすび」の歴史
そもそも日本に稲が伝わったのは、縄文時代中期(紀元前6000年ごろ)と言われています。
そこから時代が下がって稲作が始まり、日本最古のおにぎりが作られたのは弥生時代の中期から後期(紀元1世紀)。この歴史を裏付けるのが、おにぎりの化石です。
1987年、石川県の鹿西町にある2000年ほど前の遺跡から、蒸したご飯が真っ黒な炭となって固まったものが見つかりました。表面に握った人の指の跡がついていたことから、日本最古のおにぎりと考えられているそうです。
現在のおにぎりのもとになったのは平安時代に登場する「屯食(とんじき)」と考えられています。
蒸したもち米を握り固めて大きな楕円形にして、宴の際に貴族がふるまったと言われています。
鎌倉時代初期に起こった承久の乱の時には、鎌倉幕府側の武士に梅干し入りのおにぎりが配られ、鎌倉時代末期になると、うるち米を使用した今のおにぎりに近いものが作られるようになりました。
江戸時代に入るとおにぎりをお弁当にする人が増え、アサクサノリの養殖が始まった元禄時代に海苔巻きおにぎりが発明されて、日本の食文化に定着していきました。
<参考>一般社団法人おにぎり協会「おにぎりの歴史」
まとめ
いかがだったでしょうか。
今では「ご飯を握ったもの」ですが、昔の人は色んなことを考えていたんですね。
利用者さんのおかげで面白いことが勉強になりました!
利用者さんにも今回調べたことを一通り説明させていただきましたが、ちょっと話が難しい部分もあったので、
「おむすび」は神様が由来になっていて、「おにぎり」は鬼退治からきているらしいよ♪
と、お話しさせていただきました!
以上が「おにぎり」と「おむすび」の違いについてでした。
最後までありがとうございました。